Case Study

M&A実務解説

2021年08月31日
2020年のスタートアップM&Aまとめ

2020年に行われたスタートアップの主なM&A案件をピックアップしてご紹介します。

発表日買い手売り手取得価格取得割合想定時価※形態
2020年11月じげんベーシック12.5億円12.5億円事業譲渡
2020年10月ジーニービジネスサーチテクノロジ11.3億円100%11.3億円株式取得
2020年10月インフキュリオンKyash非公開非公開事業譲渡
2020年8月ヘイクービック非公開非公開非公開株式取得
2020年7月マネーフォワードアール・アンド・エー・シー13.2億円65.5%20.2億円株式取得
2020年6月ソフトバンクOne Tap BUY非公開51%非公開株式取得
2020年2月JMDCミーカンパニー10.6億円100%10.6億円株式取得
2020年1月メルペイOrigami非公開100%非公開株式取得
2020年1月フィードフォースアナグラム12.6億円50.1%25.1億円株式取得
※想定時価は取得価格及び取得割合からの想定になります。

 

2020年11月 じげんによる比較メディア事業譲受

      発表日            2020年11月20日      
買い手じげん
売り手ベーシック
取得価格12.5億円
取得割合
想定時価※12.5億円
形態事業譲渡
※想定時価は取得価格及び取得割合からの想定になります。

2020年11月にじげんは、ベーシックの展開する比較メディア事業の譲受を発表した。

買収の目的

じげんは比較メディア事業譲受の目的を以下のように発表しています。

本譲受により、新たにフランチャイズ領域への参入及びそれに伴う独立開業層のユーザー確保に加えて、結婚相談所比較サイトや家庭教師比較サイト、留学エージェント比較サイトの新たな分野におけるメディア展開によって、当社のライフメディアプラットフォームの更なる価値拡大を企図しております。
今後につきましては、主力事業である「フランチャイズ比較.net」に関して、優先的に成長投資を実施することで、同メディアの市場シェアの更なる拡大、及び同事業が有する顧客基盤やユーザーと、当社グループの既存事業との間における相乗効果の最大化を目指して参ります。

じげん リリース より

 

2020年10月 ジーニーによるビジネスサーチテクノロジ買収

      発表日            2020年10月26日      
買い手ジーニー
売り手ビジネスサーチテクノロジ
取得価格11.3億円
取得割合100%
想定時価※11.3億円
形態株式取得
※想定時価は取得価格及び取得割合からの想定になります。

2020年10月にジーニーは、高速・高精度検索エンジンを開発・提供するビジネスサーチテクノロジの買収を発表した。

買収の目的

ジーニーはビジネスサーチテクノロジ買収の目的を以下のように発表しています。

ジーニーは、「テクノロジーで新しい価値を創造し、クライアントの成功を共に創る」をミッションに掲げ、創業当初よりアドテクノロジー領域において多くのプロダクトを自社開発・提供してきました。近年はマーケティングテクノロジーカンパニーとして事業領域を拡大し、成長を続けています。
今回子会社化するビジネスサーチテクノロジは、高速・高精度検索技術を基にした検索エンジンサービスを15年以上展開しており、主に企業のWebサイトやECサイト向けにSaaS型サービスを提供しています。少子高齢化に伴う労働人口減少への対策として労働生産性向上が重視されており、昨今のテレワーク環境整備に対応した業務のデジタル化推進なども背景に、日本のSaaS市場は年平均成長率約12%の勢いで急成長しています。SaaS市場は、2023年には約8,200億円へ拡大する見通しです。

ジーニー リリースより

 

2020年10月 インフキュリオンによるKash Direct事業の譲受

      発表日            2020年10月26日      
買い手インフキュリオン
売り手Kyash
取得価格非公開
取得割合
想定時価※非公開
形態事業譲渡
※想定時価は取得価格及び取得割合からの想定になります。

2020年10月にインフキュリオンは、企業向けカード発行事業「Kyash Direct」の事業譲受を発表した。

事業譲受の目的

インフキュリオンは事業譲受の目的を以下のように発表しました。

インフキュリオンは、金融機関やサービス事業会社に、金融・決済機能をAPIによってサービス提供するBaaS(Banking as a Service)プラットフォーム事業を展開しており、日本のキャッシュレス化やDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進しています。今回、決済プラットフォームサービスとしての事業面と技術面の両面における親和性に加え、Kyash創業時からの二社間の親交により、事業譲受の合意にいたりました。

インフキュリオン リリースより

 

2020年8月 heyによるクービック買収

      発表日            2020年8月4日      
買い手hey
売り手クービック
取得価格非公開
取得割合非公開
想定時価※非公開
形態株式取得
※想定時価は取得価格及び取得割合からの想定になります。

2020年8月にheyは、オンライン予約システム開発・運営のクービック買収を発表した。

買収の目的

ヘイは買収の目的を以下のように発表しました。

お店のキャッシュレス化、E コマース対応など、お商売のデジタル化を支援する「STORES (ストアーズ) デジタルストアプラットフォーム」を開発・運営するヘイ株式会社 (以下、hey) は、さらなる事業拡大のため、オンライン予約システム「Coubic (クービック)」を開発・運営するクービック株式会社 (以下、クービック) の全株式を取得し、グループ化することになりました。クービックは STORES ブランドとして統合され、これまで同様サービス事業者のデジタル化を通じて、hey のミッションである「Just for Fun」こだわりや情熱、たのしみによって駆動される経済の発展に寄与することを目指します。

ヘイ リリースより

 

2020年7月 マネーフォワードによるアール・アンド・エー・シー買収

      発表日            2020年7月31日      
買い手マネーフォワード
売り手アール・アンド・エー・シー
取得価格13.2億円
取得割合65.5%
想定時価※20.2億円
形態株式取得
※想定時価は取得価格及び取得割合からの想定になります。

2020年7月にマネーフォワードは、入金消込・債務管理システム提供のアール・アンド・エー・シー株式を追加取得により77.8%保有し、子会社とすることを発表しました。

買収の目的

マネーフォワードはアール・アンド・シー買収の目的を以下のように発表しています。

現在、当社では、中長期的な株主価値及び企業価値の向上実現に向け、「マネーフォワード会計Plus」や「マネーフォワードクラウド経費」「マネーフォワードクラウド給与」を通じた中堅規模の企業や上場準備企業への顧客基盤拡大に取り組んでおります。
本連結子会社化により、当社の中堅規模以上のお客様向けプロダクトラインアップの強化、並びに当社のネットワーク及び顧客基盤を活用した「V-ONEクラウド®」利用者拡大を目指してまいります。

マネーフォワード リリース より

 

2020年6月 ソフトバンクによるOne Tap BUY買収

      発表日            2020年6月19日      
買い手ソフトバンク
売り手One Tap BUY (現 PayPay証券)
取得価格非公開
取得割合50.1%
想定時価※非公開
形態株式取得
※想定時価は取得価格及び取得割合からの想定になります。

2020年6月にソフトバンクはみずほ証券との合意に基づき、One Tap BUY株式の増資を引き受け、合弁会社とすることを発表しました。(持分比率:ソフトバンク51%、みずほ証券49%)

買収の目的

ソフトバンクはOne Tap BUY買収の目的を以下のように発表しています。

今後、両社グループのリソースやノウハウ、顧客基盤を活用することで、One Tap BUYのサービス強化と経営基盤拡大を目指していきます。具体的には、ソフトバンクのグループ会社であるPayPay株式会社とのPayPayボーナス等の利用を通した連携を強化し、生活に密着した資産運用サービスを提供するとともに、少額からの「長期・分散・つみたて」投資を可能にする投資信託を軸とした新サービスの導入により、従来以上に多くのお客さまにとって身近で分かりやすく、利便性の高いサービスを実現し、人生100年時代にふさわしい資産形成の場を提供していきます。

ソフトバンク リリース より

 

2020年2月 JMDCによるミーカンパニー買収

      発表日            2020年2月28日      
買い手JMDC
売り手ミーカンパニー
取得価格10.6億円
取得割合100%
想定時価※10.6億円
形態株式取得
※想定時価は取得価格及び取得割合からの想定になります。

2020年2月にJMDCは、医療機関等のオープンデータベース「SCUEL」提供の提供のミーカンパニー株式を取得し、100%子会社とすることを発表しました。

買収の目的

JMDCはミーカンパニー買収の目的を以下のように発表しています。

当社は、ミーカンパニーを子会社化することで、当社の顧客である製薬会社に対してSCUELを提供し、当社のデータベースラインナップの拡充を図ってまいります。
また、当社の保有するレセプト・健診・DPCなどの構造化データに、SCUELの医療機関や医療従事者のオープンデータを掛け合わせ、それらをミーカンパニーの持つBIサービスに搭載していくことで、医療機関、製薬会社、保険会社及びアカデミア等に対して新たな価値を創出することができると考えております。

JMDC リリース より

 

2020年1月 メルペイによるOrigami買収

      発表日            2020年1月23日      
買い手メルペイ
売り手Origami
取得価格非公開
取得割合100%
想定時価※非公開
形態株式取得
※想定時価は取得価格及び取得割合からの想定になります。

2020年1月にメルペイは、スマホ決済サービス提供のOrigami株式を取得し、100%子会社とすることを発表しました。

買収の目的

メルペイはOrigami買収の目的を以下のように発表しています。

今後は、Origamiの提供している「Origami Pay」サービス・ブランドを、お客さま・加盟店に対して一定の周知期間を経た後に「メルペイ」に統合するとともに、当社、メルペイ、Origami及び本日付で当社及びメルペイと業務提携を締結した信金中金の4社共同で、地域の中小事業者への「メルペイ」導入の推進によりキャッシュレス社会の実現を目指していきます。さらに、信金中金が有する全国のネットワークを通じて、「メルペイ」を活用した地域イベントや、「メルカリ」の登録から購入、出品の仕方など「メルカリ」の使い方が学べる「メルカリ教室」、利用促進キャンペーンなどを展開していく予定です。これにより、さらなる地域経済の活性化/キャッシュレス化への貢献はもちろん、「メルカリ」で不要品を販売して得た売上金が「メルペイ」を通じて地域に還元される、「持続可能性の高い循環型社会」の実現を目指します。

メルカリ リリース より

 

2020年1月 フィードフォースによるアナグラム買収

      発表日            2020年1月10日      
買い手フィードフォース
売り手アナグラム
取得価格12.6億円
取得割合50.1%
想定時価※25.1億円
形態株式取得
※想定時価は取得価格及び取得割合からの想定になります。

2020年1月にフィードフォースは、インターネット広告運用代行事業のアナグラム株式を50.1%取得し、子会社とすることを発表しました。

買収の目的

フィードフォースはアナグラム買収の目的を以下のように発表しています。

本株式取得は、当社が培ってきたデータフィード広告とアナグラムが培ってきたリスティング広告などそれぞれの得意領域におけるノウハウを通じて、インターネット運用型広告事業の総合的なソリューションを提供することで両社の顧客基盤の拡大を図るとともに、テクノロジーを活用したより高度なマーケティング支援体制を共同で開発・構築することにより、当社プロフェッショナルサービス事業におけるサービス領域の拡大及び持続的な成長を目指すものであります。

フィードフォース リリース より